自分の娘に限って、難病になどなるわけがない。
どこかでそう期待しながら、病院へと向かっていた。

              

親として、生まれて間もない自分の子どもに異変を感じたら、平然としていることはできないのではないでしょうか。
私も例外なく、焦りまくり、不安に駆られ仕事もどこか上の空で危ない思いをしたという経験があります。

                     

そんな日々の中で思うことはたった一つで、これに尽きるといっても過言ではないと断言できます。 

               

どんなことをしてでも、我が子を救いたい。

                   

今回の記事は前回の続きです。
ランゲルハンス細胞組織球症という病気の可能性に気付き、調べる日々を過ごしていくなかで、ついに病院から連絡が入りました。

               

医師から言い渡された結果は??                

                           

冷静に話を聞き、冷静に話をすると自分に言い聞かせ医師のもとへ。

               

※8年も前のことなので、うろ覚えですが次のような会話をしました。

医師『先日の検査の結果が出ました。結果というよりは、今はまだ「疑い」という状況であるということを先に言っておきます。』
私達『はい…。(その疑いは、軽いものであってほしいと、心の中でひたすら祈る。)』

             

医師『血液検査では異常は見られなかったものの、側頭部の骨にできた腫瘍の状況から考えますと、LCH(ランゲルハンス細胞組織球症)という病気の可能性があります。』
私『……。やっぱりそうですか…。(冷静になれ…!冷静に…!!)』
奥ちゃん『……。』

            

医師『やっぱりというと…?』
私『今日まで、自分たちで調べられる範囲で調べた結果、そこに辿り着きました。でも、そうじゃないでほしかった。』

                

医師『まだ、確定ではありません。あくまでも疑いという段階です。これを確定させるには、組織をとって検査する必要があります。』
私『手術で取ってしまうということですね?手術はいつできますか??』


医師『それなんですが、このLCH(ランゲルハンス細胞組織球症)というのは全身に病変が出るというタイプもあるため、実は手術をする前に、他の臓器に病変がないかを調べるために色々な検査をしなければならないのです。その検査は当病院ではできないこともあるため、大きな病院を紹介しますがよろしいでしょうか?』
私達『はぁ…そうなんですか。その病院というのはどこの病院ですか?』

              

医師『北〇病院です。』
私『(マジかよ…。)』

                           

北海道のものすごく大きな病院の名前が出てきたので、ことの重大さを改めて認識するとともに、大きな不安が襲い掛かってきたことは言うまでもありません。
その後、LCHについての更に詳しい話を聞いたはずなのですが、ほとんど頭に入らずといった感じでした。

                    

前回と同様に、親二人は笑うこともなく、言葉少なく家路につきました。

乗り越えよう!きっと大丈夫!親の誓い。

大丈夫。どんなことがあっても乗り越えよう。奇跡は起こるよ。

                

帰宅しても私と奥ちゃんは、元気が出ず、覇気もなくという感じで時間だけが過ぎていきました。
そんな時でも、元気に泣き、時々無邪気に笑ってくれる娘。

                  


生後4か月の娘が、落ち込んでる親を見て元気づけようとしてくれているような、そんな感じがしました。
『まだ、LCHと決まったわけじゃない。落ち込むのはきっちり診断結果が出てからでも遅くないよね。』

                 

立ち直ったわけでも、開き直ったわけでもないですが、いつのまにか私たちはそんな少しだけ前向きな会話をしていたのです。
幼い娘に助けられたのかなと、今でも思っています。

                          

その後も、もしもLCHだとしたら、この子の人生はどうなってしまうんだろう?とか、もしも病変が全身に広がっていたら…予想しているものよりも悪い結果だったら…と嫌になるほど頭に浮かぶマイナスのシナリオ。

                

ただ…

                    

それがどんなに悪い結果であったとしても、この子を守り育てていくのは私と奥ちゃんですから。

『これは誰の責任でもないし、運命みたいなもの。月並みな言い方をするなら神様が自分たちに与えた試練なのかな。奇跡が起こって、全く何ともないってことだって可能性としてはあるんだし。どんな結果になっても、助け合って二人で乗り越えていこうね。』

と私たちは誓い合いました。

                        

そしてついに、娘と奥ちゃんの北〇病院での生活が始まるのでした。

ここまで読んでくれたことに感謝します!
次回へ続きます。

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